クリニック開業、スケジュール遅延に備えよう!宮城・仙台で成功するためのヒント
開業時のよくある遅れ、スケジュールの遅れは注意
宮城・仙台でクリニックを開業しようと考えている先生方へ。開業準備を進める中で、様々な想定外の事態に直面し、スケジュールが遅れてしまうことがあります。開業を目指す医師にとって、スケジュールの遅れは大きなリスクとなり得ます。今回は、開業準備でよくある遅れの原因と、その影響、そして事前にできる対策について考えていきます。
1.物件探し
クリニック開業の最初のステップは、理想的な物件の確保です。しかし、この物件探しが思うように進まないことがよくあります。医療機関向けの好条件の物件が少なく、立地や周辺の医療機関とのバランスも考慮しなければならないため、条件に合った物件を見つけるのは簡単ではありません。
例えば、駅近で患者にとってアクセスしやすい場所、駐車場が十分に確保されている場所などが人気ですが、これらの条件を満たす物件は限られています。そのため、物件探しの段階で既に数カ月の遅れが発生することが考えられます。
対策:物件探しは、開業準備の中でも特に時間がかかる作業です。理想の物件が見つかるまで、時間がかかることを想定し、早めに物件探しを開始しましょう。理想の物件にこだわるあまり、開業が遅れてしまうこともあります。また、妥協点をあらかじめ決めておき、条件を少し柔軟に見直すことも検討しましょう。
2.コンセプトの策定
物件選びと同様に、クリニックのコンセプトを決めることも難航するポイントです。「何を特徴、強みにするのか」「どのような患者層をターゲットにするのか」「クリニックのブランドイメージをどう作り上げるか」といったことをしっかりと考え、明確にする必要があります。
コンセプトが決まらないと、内装のデザインや宣伝、スタッフの採用にも影響を与え、全体のスケジュールが大幅に遅れる可能性があります。
対策:コンセプト作りは最初の段階で慎重に行い進めることが大切です。競合クリニックの強みや弱みを分析することで、自クリニックの強みを明確にすることができます。また、あまり完璧を求めすぎず、一定の柔軟性を持つことが、スムーズな進行を助けるでしょう。
3.内装工事
物件が見つかり、コンセプトが決まったとしても、次に内装工事がスムーズに進むかが大きな問題となります。特にクリニックの内装は、一般のオフィスや店舗と異なり、専門的な設備やレイアウトが必要です。そのため、工事業者が医療機関の内装に慣れていない場合、予期せぬ問題が発生し、工事が1カ月以上遅れることもあります。
例えば、診療室のレイアウト変更や医療機器の設置位置の調整が必要になった場合、当初の計画通りに進まないことがしばしばあります。また、予算の範囲内で工事を進めようとすると、コストの削減により時間がかかるケースもあります。
対策:内装工事の遅れを最小限にするために、工事業者の選定は慎重に行いましょう。医療機関の内装に精通している業者を選ぶことで、スムーズな進行が期待できます。また、工事の進捗状況を定期的に確認し、早期に問題を把握することも重要です。
4.保健所への認可申請
クリニックを開業する際、保健所からの認可が必要です。しかし、保健所の審査で細かい指摘を受け、再度申請を行うことになると、認可までに1カ月以上の遅れが生じることもあります。特に、衛生基準や設備に関する指摘が多い場合、クリニックの開業はさらに遅れる可能性があります。
対策:保健所の基準を事前に確認し、専門家と協力して設計や設備を整えることが重要です。また、申請前に保健所に事前相談を行うことで、予想外の問題を回避できることもあります。
5.医療機器
クリニックで使用する医療機器は、高価であり、また非常に専門的なものです。そのため、機器の在庫状況や納品時期に左右されることが多く、予定通りに搬入されないことがあります。また、設置工事や調整に時間がかかる場合もあります。
対策:医療機器の発注はできるだけ早めに行い、在庫状況や納期を事前に確認しておくことが大切です。また、複数のサプライヤーを比較し、最適な選択肢を選ぶことで、リスクを分散させることも効果的です。
開業スケジュールの遅れがもたらす影響
開業スケジュールが遅れると、様々な影響が出てきます。
- 経済的な損失:
- 賃貸借契約を結んでしまえば、開業前であっても賃料が発生します。
- 人件費や光熱費などの固定費も発生するため、開業が遅れるほど経済的な負担が増えます。
- 機会損失:
- 開業が遅れることで、患者さんの獲得が遅れ、収益化が遅れる可能性があります。
- 競合他医に患者を奪われる可能性も考えられます。
- 精神的な負担:
- 開業に向けて様々な準備を進めている中で、思わぬ遅延に見舞われると、精神的な負担が大きくなります。
- 開業へのモチベーションが低下する可能性もあります。
賃料発生のリスク
賃貸借契約を結んでしまった物件に対して、クリニックが開業していない状態でも賃料が発生し続けます。通常、物件を借りる際には契約締結後すぐに賃料が発生するため、工事や認可の遅れにより、開業前の数カ月間は赤字となる可能性があります。
対策:賃貸借契約を結ぶタイミングを慎重に考え、できるだけ開業準備が進んだ段階で契約することをお勧めします。また、物件オーナーと交渉し、工事や認可の遅れに備えた柔軟な契約条件を設定することも重要です。
開業スケジュールをスムーズに進めるためのポイント
開業スケジュールをスムーズに進めるためには、以下の点に注意しましょう。
- 余裕を持ったスケジュール:
- 各工程に余裕を持たせたスケジュールを立てることが重要です。
- 行政手続きや内装工事など、予想外の遅延が発生しやすい工程には、十分な時間を確保しておきましょう。
- 突発的な事態が発生した場合でも、柔軟に対応できるよう、スケジュールに余裕を持たせておくことで、精神的な負担を軽減することができます。
- 専門家の活用:
- 不動産業者、設計事務所、内装業者、医療機器メーカーなど、様々な専門家を有効活用しましょう。
- 専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな開業準備を進めることができます。
- 定期的な進捗確認:
- 定期的に進捗状況を確認し、問題点があれば早急に解決するようにしましょう。
- 問題点を放置しておくと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
- 最悪の事態を想定:
- 万が一、スケジュール通りに進まなかった場合に備えて、別のプランを立てておくことも重要です。
- 開業が遅れた場合に備えて、資金計画の見直しや、患者さんへの対応など、最悪の事態を想定しておくことも大切です。
まとめ
開業スケジュールは、様々な要因によって遅延する可能性があります。しかし、事前にしっかりと準備し、柔軟に対応することで、遅延を最小限に抑えることができます。
宮城・仙台での開業を成功させるためには、開業準備の段階から、様々なリスクを想定し、計画的に進めることが重要です。
開業は人生の大きな転換期です。焦らず、一つ一つ丁寧に準備を進めていきましょう。
先生方の開業が、スムーズに進み、理想のクリニックが開業できますよう、心より応援しております。