長期収載品選定療養:新たな疑義解釈と注意点
2024年10月から、患者が希望して後発医薬品ではなく、より高価な長期収載品(先発医薬品)を選ぶ場合、その差額の一部を患者が負担する「選定療養」が開始されます。この制度の導入に伴い、厚生労働省は、医療現場からの様々な質問に対応するため、繰り返し疑義解釈を発表しています。
厚労省保険局医療課は9月25日付で、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料(その3)」を都道府県に事務連絡した。
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その3)
【入院中の患者以外の患者に対する注射について】
問1 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」(令和6年3月27日保医発0327第10号)において、「別表第一区分番号C200に掲げる薬剤」、「別表第一区分番号G100に掲げる薬剤」及び「別表第二区分番号G100に掲げる薬剤」が選定療養の対象となるとされているが、入院中の患者以外の患者(往診又は訪問診療を行った患者も含む)に対して医療機関が注射を行った場合も、長期収載品の選定療養の対象となるのか。
(答)長期収載品の選定療養の対象とはならない。 なお、在宅自己注射を処方した場合については、「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年7月12日厚生労働省保険局医療課事務連絡。以下「疑義解釈その1」という。)問9に記載するとおり、長期収載品の選定療養の対象となる。
【医療上の必要性について】
問2 疑義解釈その1問1の②において、「当該患者が後発医薬品を使用した際に」とあるが、後発医薬品の添付文書において、当該患者への投与が禁忌とされている場合も、実際に当該患者に使用したうえで判断する必要があるのか。
(答)後発医薬品の添付文書において禁忌とされている患者に対しては、当該後発医薬品を使用したうえで判断する必要はなく、この場合は疑義解釈その1問1の②に該当するとみなして差し支えない。
問3 複数の医薬品を混合する際、後発医薬品を用いると配合変化により薬剤が分離する場合であって、長期収載品を用いることにより配合変化が回避できるときは、医療上の必要性があると認められるか。
(答)疑義解釈その1問1の④に該当するため、医療上の必要性があると認められる。
厚生労働省「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」より引用
関連リンク:
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1) | 令和6年7月12日 事務連絡 |
PDF[157KB] | |
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その2) | 令和6年8月21日 事務連絡 |
PDF[120KB] | |
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その3) | 令和6年9月25日 事務連絡 |
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「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の 送付について(その3)」の一部訂正について | 令和6年9月26日 事務連絡 |
PDF[98KB] |