クリニック開業資金調達のコツ：融資が難しい時は医療機器リースも検討しよう！
宮城・仙台でクリニックを開業予定の先生方へ。クリニックの開業は、医師にとって一大プロジェクトです。開業資金の調達や医療機器の購入など、多くの資金が必要となりますが、時には希望する融資額が受けられないこともあります。そんなとき、医療機器のリースを活用することは、クリニックの開業を円滑に進めるための有力な選択肢となります。本記事では、融資が思うようにいかない場合に、リースがどのようなメリットをもたらすのか、そしてどのようにリースを活用するかについて解説します。
1. 融資額が希望に満たない理由
まず、希望する融資額が受けられない理由として考えられる要因を理解しておくことが重要です。融資額が少なくなる理由として、以下の点が挙げられます。
- 自己資金の不足: 金融機関は、自己資金がどの程度用意できるかを重視します。自己資金の額が少ない場合、融資の返済能力が低いと見なされることがあります。
- 収益計画の不備: 開業後の収益見込みが曖昧だと、金融機関はリスクを感じ、融資額を抑える可能性があります。計画書の説得力が不足していると、希望額に満たない融資が下りることがあります。
- 信用力の問題: 個人の信用情報や過去の借入履歴が融資に影響を与えます。金融機関は返済リスクを減らすため、融資額を減らすことがあります。
このような状況に直面した場合、医療機器の購入資金をどう確保するかが大きな課題となります。ここで検討すべき手段の一つが「リース」です。
2. 医療機器リースとは？
医療機器リースとは、クリニックで使用する医療機器を購入せず、リース会社から借りて使用する仕組みです。リース契約を結ぶことで、医療機器を一定期間使用する権利を得ることができ、月々のリース料を支払うことで利用を継続します。リースの対象となる機器は、診療に必要なX線装置やMRI、CTスキャン装置などの高額機器から、電子カルテなどの比較的低額な機器まで幅広く対応しています。
なぜ医療機器リースが注目されるのか？
- 初期費用を抑えられる: 高額な医療機器を一度に購入する必要がないため、初期投資を抑えられます。
- 最新機器が導入できる: リース期間中に新しいモデルが登場した場合、リース契約を見直すことで最新の機器に更新できます。
- 財務状況への影響が少ない: 借入金が増えないため、クリニックの財務状況を安定させることができます。
- 税金対策にも: リース料は経費として計上できるため、節税効果も期待できます。
3. リースを選ぶメリット
融資が希望額に達しなかった場合、リースを選ぶことでクリニックの開業をスムーズに進められる理由は多々あります。主なメリットは次の通りです。
初期投資の軽減
購入と異なり、リースでは初期に大きな費用を支払う必要がありません。月々のリース料のみで高額な医療機器を使用できるため、開業時の資金繰りが難しい場合でも、クリニックを適切に機能させるための設備を整えることが可能です。
資金計画の柔軟性
リースを活用することで、資金計画に余裕が生まれます。融資額が不足しても、リースによって購入費用を抑えられるため、その分の資金を他の必要経費や運転資金に充てることができます。これにより、開業後の経営リスクを軽減し、経営を安定させやすくなります。
最新医療機器の導入が可能
リース契約は一定期間ごとに更新されるため、契約満了時に最新の医療機器に切り替えることができます。医療技術や機器は常に進化しており、最新の機器を導入することで、クリニックの診療水準を維持・向上させることができます。
メンテナンスやサポートが充実
リース契約には、機器のメンテナンスやサポートが含まれている場合が多くあります。これにより、故障やトラブルが発生した際にも迅速な対応が受けられ、クリニックの運営に支障をきたすリスクを軽減できます。リース会社が定期的にメンテナンスを行うため、医師やスタッフは診療に集中することができます。
4. リースのデメリットも理解しておく
リースには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。これらを理解した上で、リースを利用するかどうかを判断することが重要です。
総支払額が高くなる場合がある
リース契約は長期間にわたるため、最終的な支払総額が購入費用を上回ることがあります。特に長期間使用予定の機器については、リースよりも購入の方が経済的に有利になる場合があります。
リース料率はその企業の業績や経済情勢などで変動しますが、２％未満が目安になります。ただしリースを途中解約すると残金は一括で支払うことになります。
機器の所有権がない
リース契約では、機器の所有権はリース会社にあります。したがって、契約満了後に機器を手元に残すことはできません。長期的に使用する機器であれば、購入を検討するのも一つの選択肢です。
5. リースとローンの比較
リースとローン（購入）を比較して、自身のクリニックにとって最適な選択を見極めることが大切です。以下は、リースとローンの主な違いを比較した表です。
| 項目 | リース | ローン（購入） |
|---|---|---|
| 初期投資 | 小額（リース料のみ） | 高額（全額支払いが必要） |
| 機器の所有権 | リース会社 | 購入者 |
| メンテナンス費用 | リース料に含まれる場合が多い | 購入者負担 |
| 最新機器の導入 | 更新時に可能 | 別途購入が必要 |
| 総支払額 | 購入より高くなる場合がある | 購入時の費用のみ |
6. リースの具体的な手続きと注意点
リース契約を進める際には、いくつかの手続きと注意点があります。特に次の点を確認することが重要です。
- リース会社の選定: 信頼できるリース会社を選びましょう。医療機器に特化したリース会社は、医療分野の専門知識が豊富で、適切なサポートが期待できます。
- リース料の確認: リース料には、基本的な使用料だけでなく、メンテナンス費用やサポート費用が含まれているかどうかを確認しましょう。後から追加費用が発生しないように、契約内容を細かく確認することが重要です。
- 契約期間の設定: リース期間は機器の耐用年数や更新タイミングに合わせて設定しましょう。短すぎるとコストがかさみ、長すぎると古い機器を長期間使い続けるリスクがあります。
- 総支払額は購入よりも高くなる場合がある: リース期間中のリース料の合計は、機器の購入価格よりも高くなることがあります。
- リース期間中に機器が故障した場合の対応: リース契約の内容によって、修理費用や交換費用がどう扱われるかが異なります。
- リース終了時の扱い: リース期間終了時に機器を返却するか、購入するかを選択する必要があります。
7.融資とリースの併用も検討しよう
医療機器リースだけでなく、銀行融資も併用することで、より柔軟な資金調達が可能です。融資とリースのバランスを調整し、クリニックの財務状況に合った資金計画を立てましょう。
まとめ
リースを活用して成功する開業へ
融資が希望通りに受けられなかった場合でも、医療機器のリースを活用すれば、クリニックの開業は実現可能です。リースは初期投資を抑え、最新機器を導入し、メンテナンスの負担を軽減するなど、多くのメリットがあります。ただし、総支払額が高くなるリスクや所有権が得られない点を考慮し、リースとローンを比較しながら最適な選択を行うことが大切です。開業の際は、資金計画と設備投資をしっかりと見直し、リースを上手に活用することで、成功するクリニック運営を目指しましょう。
